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「ホントホント! 猫がこんなに誘ってるってのにゲンゾーの甲斐性なし!」
「据え膳食わぬは男の恥、じゃないの?」
「もう歳なんだから元気あるうちにシないと本当に出来なくなるわよ!」
「お前らホント好き勝手言いよるな! 弟みたいに可愛がっとったガキに欲情されてる身になってみぃ! 割とショックなんやで!」
女性たちによしよしと頭を撫でられ、私が代わりに相手してあげよっか? などと言われ猫は少し寂し気に笑った。
「ありがと、けどごめんなぁ、俺抱かれた方が気持ちエエねん。皆みたいな綺麗な女の人に反応せんとか、男失格やって分かっとるんやけどなぁ」
その言葉に全ての女性が声を揃えた。
「「「何言ってるのよ!!」」」
「猫は猫でしょ!」
「私たちは貴方が私たちを抱けなくたって猫が好きよ!」
「そうよ! むしろ共有できる話題が多くて嬉しいもの!」
「猫が望むなら私猫を抱いてあげるわ!」
「猫! 自分を否定する様な事言わないで!」
「み、皆ぁ……ありがとぉ。俺も皆好きやでぇ。でも女の子に抱かれるんはちょっと」
目尻が少しつり上がった猫目を細めて猫は笑った。
女性たちもつられて笑顔になり、源造は呆れた様にため息を吐いた。
「あんたたち、いつまで遊んでるんだい。早く準備をおし」
そんな店内に凛と響く新たな女声に皆が一斉に振り返る。
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