めう

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「さあ、中に入って!」  黒髪の子の肩に乗り、一緒に家の中へ入ると、すぐに幼い子供たちが駆け寄って来る。 「お帰り、お姉ちゃん!」 「何か肩に乗ってるよ?」  僕は肩から飛び降り、子供たちを見つめた。  すると子供たちは、交互に僕を抱きかかえる。 「かわいいっ!!! こんな可愛いブタさん、初めて見たよ!」  ふざけるな。 「白いブタなんて見たこと無いよ。パンダでしょ?」  いい加減にしろ。  この兄弟は、ネコを見た事がないのか? 「ねえ、お姉ちゃん。この子の名前は?」  名前? 僕に名前なんてないよ。 「名前か……鳴き声が、めうって聞こえるから……めう。どう?」 「めうちゃんか。可愛い名前だね」  ……  ……  めう。  ……  ……  ちょっと嬉しい。
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