1 旅のプランニング

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なんとかなるだろうと、モスクワ行きの特典航空券を入手したは良いが、ロシアは自由旅行が禁止されている。 観光ビザは勿論必要だが、ビザを取るに当たっては宿泊・交通手配のバウチャーがないとビザ申請が出来ない。 そのバウチャーも国家の公認旅行代理店しか発行出来ない。 当然、いくつかの例外はあるものの、基本的には旅行手配は公認旅行代理店で手配してバウチャーを発行して貰い、ビザ申請をせねばならない。 即ち、宿泊予約サイトやホテルに直接予約を入れる手配の仕方はNGで、尚且つ旅程を決定しないとビザ申請は出来ない。 折角モスクワまで行ったなら、更にサンクトペテルブルクまで足を伸ばして、世界三大美術館であるエルミタージュ美術館に行ってみたい気もする。 が、一方で国内移動で面倒な思いもしたくない気もする。 更に、もしサンクトペテルブルクまで行くのであれば、復路の便をキャンセルして、フィンランドのヘルシンキから帰るという選択肢もある。 かなり迷いに迷った挙句、リーズナブルにモスクワにのみの滞在に決定。 元々大してロシア文化に興味があったわけでなく、ワシリー寺院さえ見られたら良いかと、欲張らず、余裕のある旅程で納得しておく。 この結論に至るまで、じつに半年もかけたのであった。 ホテルはかつての名門、メトロポールにした。 赤の広場に隣接していて、朝食がたいへん評判なホテルである。 手配をロシア公認代理店に依頼し、ついでにビザ取得代行も頼むことにした。
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