モスクワ旅行記

2 モスクワへ

飛行機は成田発の朝の便である。

早朝に出発して車で空港まで行く予定にしていた。

ところが、出発の2週間前に車を失ってしまった。

ある日、乗っている最中にECUのエラーと思われるトラブルが発生。
私は欠点の多い人間ではあるが、悪い性質の一つに機械にキレ易いところがある。
人間様の命令を素直に受け入れて便利を提供するのが機械の役割であり、機械のくせに人間様に逆らうとは何事だ！とブチ切れてしまうのだ。

以前も、1日の内にPCのプリンターを2台鉄拳制裁で破壊した事もあった。1台目を破壊したあと、新しいのを買いに出かけて、また期待に応えてくれなかった新品のプリンターまで手にかけてしまったのだ。
今ほどプリンターは安価なものではなかったので、それなりに後悔したものだ。

そして、今回も反省することなく、機械にキレてしまった。
流石に自動車はデカくて硬いので鉄拳制裁は加えなかったが、ノロノロとしか走らなくなった車をなんとか駐車場にぶち込んで、その場で廃車代行会社に電話を入れた。
今の時代、スマホという極めて便利な代物があるので、車・廃車でググれば、すぐに電話をかけることが出来てしまう。
わずか10分もかからず廃車の手配が終わり、我が愛車は寿命を迎えることとなった。

ちなみに、廃車引き取りの運搬トレーラーに積み込む際、我が愛車は元気よく走っていった。どうやらいつの間にかエラーはリセットされていた模様。

話が大きく逸れたが、そんなわけで空港までの足がなくなった為、前泊することになってしまった。

銀座でワイン、パン、オリーブ、ハム、贅沢にもAOCのチーズ、そして何故か娘の希望により天ぷら、などなどを買い込み、ホテルの部屋で豪華にプチ宴会と洒落込んだ。

ついでに、醤油のミニボトルと練りわさびのチューブを買っておく。
モスクワでイクラを食べる際に使うためだ。