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陽射しがチリチリと肌に刺さるような暑さ。
ところが、時折吹く風は冷たい。
やはり北の国ということか。
日陰に入ると少し肌寒いような気もする。
日なたに出ると、耐え難いほど暑い。
この奇妙な感覚は、実際に現地で体験しないとなかなか理解出来ないことだ。
字面ではなかなか伝えられない事なのだ。
これと真逆だったのがインドであった。
暑気のインドは、とても暑いが日陰に入ると過ごし易い。
ただ、風が吹くと熱いのである。
ドライヤーの熱風が当たる感じなのだが、あの感覚を思い出した。
この「空気感」とでもいうものが、旅の醍醐味ではないだろうか。
車を手配し、ホテルに向かった。
車窓から風景を眺めていているうちに、妙にテンションが下がっていくのを自覚した。
何と表現したものか、ワクワク感がないのだ。
いつもの海外旅行なら、車窓からの日本とは異なる眺めが否が応でも気分を盛り上げてくれるものだが何故だかそれが無い。
昔、台湾に行った時も同じような感覚だった。
つまらない。それが車窓の景色から得られた感想だった。
ホテルにチェックインすると、娘にとクマのぬいぐるみをくれた。
かなりしっかりしたぬいぐるみで、決して安くはない筈のものだった。
クマのぬいぐるみは娘の大好物で、じつに様々な種類のクマのぬいぐるみを持っている。
一体増えても邪魔に思うこともなく、大層ご機嫌だ。
チェックイン後、とにかく銭が必要なので両替をお願いした。ところが、ホテルのフロントでは両替してくれない。
ATMを使うか近くのショッピングセンターに行けと言う。
ロシアのATMは危険だと教えられていたので利用しないことにして、部屋に荷物を置き、娘と連れ立って両替に出かけた。
長旅の疲れに加え、既に日本時間では深夜に差し掛かっているので、早くベッドに入りたい。
両替して、そのお金で食料を調達し、部屋に帰って空腹を満たしたらすぐ寝るつもりだ。
フロントで聞いた通り、ホテルから通りを渡りボリショイ劇場の脇を通ってすぐのツム百貨店内にある両替所で当面凌げるだけのルーブルをゲット。
ただ、残念ながらツム百貨店には食品売り場が無かった。
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