リミット

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ーーーーーーーーザグッッ!!!  ヤシの実が岩場の尖った箇所に突き刺さった。ゆっくりと引き抜くとそこから水分が少し零れたが穴が開き割れている事が見て取れた。 「やった、、、、、、、やった、、、、、、、、、ングゥングゥ」  こぼすまいと割れたヤシの実の水分をそのまま口に運ぶ。喉を通り胃が満たされる間隔までも感じる。水分が体を通るという事は生きる事を感じると言う事なのかもしれない。  感動は大きかったが分かち合う相手も居らず、ただ喜びと感謝を空にささげた。  一つ目が割れ、それを飲み干す事で体力が戻り、もう一つのヤシの実を割る事は難しい事では無かった。二つはすぐに飲み干してしまい、開ける方法さえ解れば後はひたすら繰り返すだけである。  一日かけて何度もヤシの実を取りに向かい集められるだけ集めた。その都度戻ると一つずつ飲み喉を潤す。取れる分が無くなるまでヤシの実を集めた。  自分の寝床に二十個ほどヤシの実を集めたが、大切に飲めば一週間と言う所である。しかし水不足が解消された訳では無かった。
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