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ヤシの実である。しかし、頭上に有る為取る事が出来ない。下に落ちた物が無いか見回すが無さそうだ。
「上るのか、それとも落とすのか、、、、、」
石を拾い集めヤシの実目掛けて何度も投げつけた。だが実が若すぎる為か一向に落ちる気配はなかった。
「クソ、またよけいな体力を、、、、、、喉が、、、、、、」
汗をかく事で体力を著しく消耗した。しかし人間の性なのであろう、目標を見付けた事で何が何でも手に入れたいという欲求が男を支配していた。
石が駄目なら上るしかない。記憶はないが恐らく小学校振りくらいであろう木登りに挑戦する。
手は痺れ皮が剥けそれでも少しずつ上へと上がって行く。
日が暮れる直前にヤシの実を、二つようやく手に入れる事が出来た。
それを抱えながら意気揚々と、再び始めに居た場所に戻り始めた。
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