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「痒い痒い痒い!何なんだ此処は!」
砂浜で寝ていた男だったが、全身が苺の様な赤い虫刺されで覆われた。
痒みの中に時折痛みまで走る。虫刺されと言うレベルでは済まされない程の痛みである。
睡魔が襲うが痒みが収まる事は無い。叩いて減るでも無くむしろ寄って来ている為か全身を虫に噛まれた。
ーーーーーーーー遠吠えが聞こえる。
犬だろうか?しかし密林の様な場所に犬など居るとは思えず、ただ何かの叫び声に怯える。
体の痒みに夢中で喉の渇きは気にならなくなっていたが、決して寝られるような状態では無かった。
今までどうやっていたのだろうか?今まで何処にいたのだろうか?何も思い出せなかった。
ただ悔しく疲れ十分おきの睡眠と、全身の痒みそして収まった時には喉の渇きが襲いかかる地獄の様な一夜は睡眠を満足に取る事無く夜が明けた。
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