ちんこ台風

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 俺のちんこが飛ばされた。  ちんこがでかいのが俺の自慢だった。女どもを、あへぇあひぃと言わせる太くてかたいちんこ。外人だって、これほどのビッグペニスはなかなかないだろう。  そんな俺のちんこが、ある日、風で飛ばされた。台風の日、ちょっとコンビニに出かけたら、ひときわ大きな風が吹き、すぽーんとズボンごと飛ばされちまったのだ。俺は必死で追いかけたが、なかなかちんこを捕まえることはできなかった。見ると、他にもちんこを飛ばされた奴がいるらしく、暴風の中、無数のちんこが舞っている。そんな有象無象のちんこに紛れて、俺のちんこは見えなくなってしまった。  それでも俺は一晩中駆けずり回って、ちんこを探し続けた。ちんこがなくなったら、俺はどう生きていけばいいのだ。  やがて夜が明ける。  台風一過、秋晴れの空の下、道路に降り積もった無数のちんこ。俺は、それらを一つ一つ確認していく。と、遠くで人だかりがしていた。見ると、一つのちんこを、男たちが奪い合っているようだ。彼らが奪い合っているちんこを見て、俺は思わず声を上げた。あれは、俺のちんこだ。 「おい、それは俺のちんこだぞ!」  そう叫んだが、誰も見向きもしない。 「聞こえなかったのか、それは」 「うるさい!」  殺気だった男たちに、いきなり怒鳴りつけられる。 「これは俺のちんこだ!」 「いいや、俺のだ!」  なんてことだ。俺のちんこが強奪されそうになっている。 「か、返せ! 俺のちんこ!」  そう言って飛びかかったが多勢に無勢、俺は叩きのめされ、気を失ってしまった。  気がつくと、辺りには誰もいない。無数に転がっていたちんこも、全てなくなっていた。いや、たった一つだけ、忘れられたように小さなちんこが転がっている。俺は、のろのろとそのちんこを拾い上げた。自然と涙があふれてくる。  俺は泣いた。ちんこは皮をかぶっていた。
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