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大統領 みな、さん! 間に合、いました。居住空間を一部確、保。第一次移住、計画を実行に写し、ます。
男 この時、数千人が移住したらしい。
女 楽しい、です、ね。
男 この夜は、満月だった。
女 なにかおさがしですか。
男 その後は毎月、数千人ずつ移住していったよ。
●男は言いながら次の雑誌を手に取り、開く。
大統領 国民の皆さん、残念なお知らせです。計画は失敗。第一次移住計画は中止。中止とします。
男 終わりの始まりだった。
女 楽しい、です、ね。
男 既に数億人が移住した後のこと。なにがあったのか、なぜ中止になったのか。
●男はまた次の雑誌を手に取る。
女 お話。素敵です。
大統領 申し訳ございません。全国民の皆さん、地球上の皆さん、申し訳ございません。
男 大統領の最後のホログラムデータだよ。この時期は、雨が多かった。
女 少々、気がめいりますね。
男 少々、か。いや、このときの気分は絶望と言っても良いだろうね。
女 休憩をしていかれてくださいな。
男 ああ、いいんだよ。続きがある。
大統領 これより、数日の内に月は消滅するでしょう。移住計画は全て失敗。我々に残された道は閉ざされました。
男 ビー。
女 はい、店長。
男 …ビー。
女 もう、何ですか。
男 人間は増えすぎていたんだ。それは地球に収まらなくなるほどに。
女 満員です。
男 あぁ。
女 ふふ、楽しい、です、ね。
男 ビー。
女 はい、店長。
男 知ってるか。
女 すみません。
男 月がないと、生き物は生きられないんだ。
大統領 既に鳥類の50%の絶滅を確認。原因不明の自殺者は30万人を超え、現在対策中となっています。
男 …ビー
女 もう、何ですか。
男 人間は後どのくらい生きているのだろうな。
女 なにかおさがしですか。
男 マンハッタン。
女 マンハッタンへは、モックバァクステイションより、おさがしです。
男 マンハッタンで、家族と暮らしていた。
女 モックバァクステイションへは、はい、エジソン社製N+207型より、へようこそ。
男 ふふ、歩きでは遠いな。
女 地下鉄がありますよ。
男 動かないんだ。
女 もう店長、地下鉄がお休みの日があるなんて聞いたことがないですよ。
男 寂しいな。
女 本当ですか。
大統領 これで最後となるでしょう。皆さん、この危機を乗り越え、生き抜きましょう。種の存続を、生命の存続を。
●大統領ハケ
男 あんた
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