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「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
猫柳千歳は全身汗まみれになって目を覚ました。 この身体になってから、しょっちゅう見る夢。余りにも生々しく蹂躙される為、精神的に良くない。
「また、あの夢……」
ベッドの上で、膝を抱えてうずくまる。やがて顔を上げた千歳は枕元にある硝子瓶からグラスに液体を注ぎ入れ、一気にあおった。
「ふぅー、やっぱり寝起きのマタタビ酒は効くわ」
あの事故から3ヶ月、千歳は周囲の人間が驚くほどの回復を見せていた、やたらと運動神経が良くなり、多少のケガは直ぐに治る。
「あー、今日は私か……」
しかし、千歳には気になることがあった、自分の記憶にないことを他人から指摘されるのだ。
こないだも、ラーメン屋で食べた事のないラーメンを食べていたとか、特盛りラーメンの替え玉を頼んだとか、お店の人から食べっぷりが良かったとほめられてもピンとこないのだ。
「もう一人の自分がいる!?」
平八郎に問い詰めても、上手くあしらわれて、はぐらかされてしまう。
そうして、この体つきの変化、ナイスバディーになって感じる、男達の視線の痛さに千歳は戸惑うのだった。
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