青い果実

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私? ああ、娘がいるよ。 家内は私の趣向に辟易して家を出て行ったよ。 私が営みの時に無理な「お願い」をするものだから。 娘は性的興味が芽生えてるようだ。誰にでもある正常な成長だね。 大人と同じように、何かを想像してモゾモゾさせてしまうんじゃないのかな。 「ロリータ」や、大江健三郎の本の娘はどうだったんだろうね。 これは、私の勝手な妄想だよ。 少女はこれから起ることを予感する。 恐れているくせに、恐れているから、この私に抱きついてくるのさ。 可愛いね、恐れる必要なんてないのに。 ・・・大江の本の中ではさ、米軍のフィルムに収められた噂のある日本の女性が登場する。 どうなんだろうね。 白い寝具をふわりと着て、カメラ目線をおくる? 色気もフェロモンもなく、エクスタシーという言葉さえ知らないだろうに。 惹きつけるものは・・・妖艶でも豊満な肉体でもない。 触れると壊れそうな存在なんだ。 あどけない顔をして自分から出てくるものが、誰かを魅了すると気がつくか気がつかないか、ギリギリのところにいる。 そうだ、成熟した女性ではないのだから。
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