第三話 叫べ

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第三話 叫べ

目を開けると、そこには『 デパートの屋上 』 の風景が広がっていた。 小さな繁華街のデパートの屋上。 レストランテラス。 お洒落な格好の両親、同じ位お洒落なドレスを着た私。 無邪気に戯れていた。 そんな思い出はない。 あるのは、夢で見た思い出だけ。 最初、その夢を見た時、起きたらしばらく涙が止まらなかったのを覚えている。 いつも仕事に追われる両親祖父母、休みの日は千円渡され、祖父母宅の叔母に預けられた。 叔母に一度だけ、私と弟妹の3人に昼食とお菓子を買ったら『千円じゃ足りないんだよ』って言われた事が忘れられない。 現実は最悪でも、最高の夢を今はみたい。 夢に見るなら、とびきり良い夢を見たい。 怖くて、辛くて、苦しくて、悔しい今くらい。
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