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 次の瞬間、悠真は体に貼り付いた布の存在に気付いた。 「あ……っ」 下穿きには白い液体がべっとりと付着していた。寝ている間に夢精してしまったらしい。そういえば、最近それどころではなかった。勉強と部活で手一杯で、性欲を感じたことはなかった。 さきほど夢に見た小鳥遊の顔が頭にちらついた。もしかして、小鳥遊の笑顔でこんな反応を示してしまったのだろうか。 気付かないうちに欲望を吐きだしてしまった。それも、敬愛してやまない小鳥遊に。 思いあたることはいくつかある。冷え症な悠真を心配して、手を暖めてくれた。ポーズをつける時などは、そのたびに体にふれていた。クロッキーをしている小鳥遊から柔らかい視線を感じていた。 (俺は……) さっと血の気が引く。とんでもないことをしたという罪悪感に苛まれた。 (先輩は親切で手を暖めてくれていたのに、俺はいやらしい期待をしていたんだ。先輩の指があたるたび、ドキドキしていた。近くにあの綺麗な顔が見えるのが嬉しかった。俺だけを見てくれたらいいのにって思ってしまった) 悠真は自分が、敬愛と欲情を一緒にしているだめな人間だと思い知る。そんなつもりではなかったと心はいうが、体の反応ははっきり小鳥遊を性欲の対象として見ていたと告げている。
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