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「う……っ」
目に涙が滲んでくる。なんだか惨めで、情けない気持ちになる。清い気持ちで慕っていたつもりが、それは性欲の一部だったと誰かに糾弾された気分だ。
(俺は小鳥遊先輩のこと、好きで……。血統書付きの高価な洋犬みたいなあの人に憧れすぎて、どうかしてしまったんだ)
男同士なのに。
小鳥遊は冷え症の一年のことなど、きっとなんとも思っていない。
もし悠真がこんな反応をしていると気付いたら、小鳥遊はどう思うだろう。きっと呆れて遠ざかる気がする。悠真が尋常でない気持ちを抱いていると分かったら、気持ち悪くなるに違いない。
(そんなのは嫌だ。先輩に嫌われたくない。俺の気持ちは隠すんだ)
今度モデルをしたら、なんでもないように振る舞おう。意識している素振りなど見せてはいけない。誰の目から見ても明らかに、普通の後輩だと分かるようにしないと。
悠真は涙ぐみながら下着を取り替え、洗面所で誰にも見られないように手が痛くなるまで洗った。
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