変わらない愛②

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病院の一角にある脳神経外科外来は座る席が見当たらないほどの人が診察の順番を今か今かと待っていた。 背後から感じる視線に自分の状況を思い知らされる。 クソ。さっきからこのやり取りの繰り返しじゃねーか。 すべては規則外の俺が悪い。 だけど、このままや宙ぶらりんの状態で帰るわけにはいかないのだ。 羽田に到着して、息つく間もないままバスに乗り換えて横浜駅を目指した。 そこからバスでさらに十五分。 大きくそびえ立つ病院の迫力に思わず圧倒されてしまったけれど、焦る気持ちを落ち着かせながら外来まで足を進めた。 だが、そこまではいいものの、すんなり面会できると思っていた俺の考えは簡単に覆されてしまった。
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