変わらない愛②

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約四年ぶりの再会を予定していたその日は、朝から雲一つない快晴だった。 駅の改札を出た俺は、そのまま人の流れに乗るように駅内に建つ某有名コーヒー店の門をくぐった。 すぐにやって来た店員に、あらかじめ「二名です」と右手で訴えると、 店員は満面の笑みで案内してくれた。 「ごゆっくりどうぞ」と、軽く一礼する店員につられて頭を下げると、椅子に腰掛けた。 …ちょっと早く着きすぎたか。 でも、そうなるのも仕方ない。 それほど、この日が来るのをずっと前から心待ちにしていたのだから。 久しぶりに会えることがただ嬉しくて、高揚する気持ちを抑えながらアイツが現れるのを待った。 だけど、しばらく経っても姿を見せないことにしびれを切らした俺は、ジーンズのポケットから携帯を手に取り、電話を掛けようとリダイヤルの画面を開いたその時だった。 カタ……。 椅子を引く乾いた音が耳に響いて、咄嗟に顔を上げた。 「……」 その先にいた人物のあまりの変貌ぶりに言葉を失った。 「…久しぶり」 いくつかの間を空けて、先に口を開いたのは怜斗だった。 「……」 怜斗は椅子に座ると、無言で固まる俺に向かってフッと笑った。 「…怜斗…お前…大丈夫…?」
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