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俺はここに至った経緯を少しずつ話し始めた。
最初は二人で怜斗との思い出話に花を咲かせつつ、隆二さんの笑い声が室内に響いた。
だけど、話が進むにつれ、隆二さんの表情が険しくなって、最後の方になった時、彼の口数は減っていた。
「…そっか。怜斗にそんなことが…」
「俺一人じゃどうしようもできなくて…。だから…」
「わかった。俺が怜斗に会いにいくよ」
隆二さんはさらりと言った。
「え? 会いに行く?」
「少し時間はかかるかもしれないけど、後は俺に任せてくれる?」
「でも、隆二さん、ただでさえ多忙なのに…」
「それを言うなら瀬川くんの方が時期的にキツイだろ?
今回も就活のために上京してきたんじゃないの?」
図星だった。
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