変わらない愛②

23/36
前へ
/36ページ
次へ
「それなら今は就活に専念した方がいい。 怜斗のことは俺が引き受けるよ。大丈夫だから」 隆二さんが大丈夫だと言うと、本当に大丈夫な気がするのはどうしてだろう。 自分の思いを託すように、静かに頷いた。 そして鞄から小さなメモとペンを取り出すと、隆二さんの前だということも気にせず、素早くペンを持つ手を動かした。 無造作に破った一枚のメモ用紙を隆二さんに差し出す。 「…これ、もし怜斗に会ったら渡して下さい」 「……」 力強く言うと、隆二さんは優しく受け取って、笑った。 「必ず渡すよ。約束する」 その笑顔を目にして、隆二さんを訪ねて来てよかったと、心の底から思った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

449人が本棚に入れています
本棚に追加