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『何しんみりしてんだよ。らしくねぇな』
最後の別れみたいな空気になるのが嫌で怜斗の膝を軽く足で蹴った。
『いってぇ!』
思いのほか力が強かったらしい。膝を擦る怜斗を見てぷっと吹きだす。
これから白河さんとの甘々東京ライフが待っているのだから、先の幸せを思えばこんなの痛くないだろ、と思う。
怜斗の少し後ろの方で、涙ぐみながら別れを惜しむ白河さんと平野の姿が目に入った。
『おい、健…』
『ほら、白河さんが待ってんぞ』
文句を遮るように白河さんを指差すと、怜斗はつられて背後を見て困ったような表情を浮かべた。
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