変わらない愛③

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姿勢を戻して軽く挨拶をすると、改めて彼女を見た。 第一印象────暗い。 きっと誰が見てもそう思うだろう。 ぱっつん前髪は妙に長いせいか目元まで隠れて業務に支障をきたすのではないかと思うレベルだ。 今時そんな古風な眼鏡をつい数か月前まで大学生だった女の子がチョイスするものなのか。 前髪だけじゃない。 ぱつんと切り揃えた伸びっぱなしの真っ黒な長い髪。 その重たい髪と丸眼鏡のせいで彼女の表情は全くというに等しいほど見えない。 案の定、早速彼女は毎朝恒例の朝礼で周囲をざわつかせた。 女子社員からは「不気味」とまで言われ、鼻で笑われる始末だ。 彼女は言われ慣れているのか、他人からの皮肉に動じず俺の時と変わらない機械的な口調で自己紹介を始めたのだった。
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