変わらない愛③

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「お前のアシスタント、すげぇの来たな」 桜井環奈が直属のアシスタントになって二週間が経った頃。 いつものように社食で食事にありついていると、上から声が降ってきた。 「…矢野先輩」 「そんなダルそうな顔するなって」 思いのほか顔に出ていたらしい。 先輩は笑って言うと、カタンとトレーの音を立てて前の席へ腰掛けた。 矢野先輩は俺の二つ上で頻繁に飲みに誘ってくれる面倒見のいい先輩だ。 「で、どうよ?」 「いただきます」と手を合わせて箸を手に持った瞬間、先輩は率直に尋ねてきた。
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