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こうやって面と向かって話すのはいつぶりだろう。
唯の裏切りが発覚したとき、俺から一方的に別れを告げて、一方的に避けた。
唯からの連絡を完全にシャットアウトしたし、人づてに唯が話し合いたいと言っていることを聞いたけど、それでも心が動くことはなかった。
唯と直樹の裏切りがどうしても許せなかったのだ。
二人のいいわけを聞いてあげられるほど大人ではなかった。
俺はその時、そういう気持ちの整理の仕方をまだ学んでいなかったし、二人が大切な存在だったからこそ、現実を受け止めることができなかった。
でも、今は違う。
不思議と心は落ち着いていた。
あれから8年。
俺は前に、確実に進んでいる。
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