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その時の彼女の表情が安易に想像できてクスッと笑った。
「頑張ったね。お疲れさま」
「私は何も…。瀬川さんこそお疲れ様でした」
「これからが本格的な始動になるよ。
帰ったら早速会社に報告しないとね」
「はい!」
「頑張ります!」と意気込む彼女に優しい視線をおくる。
もし、この商談を勝ち取ることができたら…。
「健くん!」
唯の声で我に返った。
ゼーゼーと切らした息を整える様子を見ると、走って追いかけてきたのがわかる。
「…どうした?」
「…あの…今さらかもしれないけど…私…」
言葉を詰まらせながら、唯は続けた。
「もう一度健くんと話したいの。…ふたりで」
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