変わらない愛⑥

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動揺をあらわにしたのは隣にいた彼女だった。 視界の端から感じる思いつめたような視線。 表情を見なくても、それはわかった。 クライアント先を出た今。 今なら、仕事の立場を抜きにして私情を絡めてもいいのかもしれない。 「…俺はもう、今さら話すことは何もないよ」 唯を見据えて、はっきりと口に出した。 「唯の話を聞いたとしても、俺の気持ちは変わらない。 8年前に俺が見たすべてが真実だということも変わらないし、今さら過去を振り返るつもりもない」 唯は石のように表情を固くした。 「俺との過去はもう忘れてくれていい。 出会った頃から全部、なかったことにしていい。 …俺もそうするから」
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