変わらない愛⑥

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その日を境にめまぐるしい仕事の日々が続いた。 俺と桜井さんを含めた営業部の他に制作部と媒体部のスタッフも加わり、競合他社と差別化を図りながらより効果的な広告展開を立案できるようチーム一丸となって取り組んだ。 部署ごとの目的は違えど、目指すものは一緒だった。 終電ギリギリまで会社に残る生活は競合コンペ前日まで続いたけど、ふしぎと疲労は感じなかった。 とにかく、プレゼンを成功させること、契約を勝ち取ること、それしか頭になかった。 競合コンペ当日、決戦のその日は生憎の雨だった。 「10月になってから途端に雨が降る回数増えましたよね。 今日も夕方から豪雨になるみたいですし…」 クライアント先の会議室。 プレゼン最終確認の途中、彼女は窓に目を向けながらぽつりと言った。
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