変わらない愛⑥

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桜井さんは元々お酒が得意ではないということもあり、ちびちび飲んでいた。 その様子を見ると、酔いは回ってなさそうだ。 もし、彼女が泥酔するまで飲んだら記憶が曖昧になるのは目に見えている。 どうせなら鮮明な意識の状態で告白したい。 「もっとお酒を楽しめるようになれたらいいんですけどね」と、ベロベロになった先輩を横目に苦笑していたけれど、今の彼女は俺にとって好都合だった。 実行するなら今日だ。 この後彼女を誘って、家まで送り届ける前に告白する。 それはずっと前から決めていた。 でも、いざ本番を前にすると途端に緊張で顔が引き締まる。 今までの人生で自分から告白した経験は一度もなかった。 告白したいと思うこの感情も初めてだった。
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