変わらない愛⑥

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すると今度は俺にこっそり耳打ちした。 「桜井さんはお前に頼むよ。 もたもたしていないで早く行動に移せよな」 ぎょっと目を見張る。 「なんでそれを…」 「お前バレバレだから。 気づいていないのは本人くらいじゃない?」 マジか、と額に手を当てた。 どうやら俺の気持ちは丸わかりだったらしい。 同期に背中を押され、心配そうに外の景色を眺める彼女に意を決し話しかけた。 「桜井さん、この後…」 その時、スマホの振動がスーツの内ポケットから響いた。 ビクッと飛び上がった。 会話が途中で遮られてしまい、咄嗟に頭がフリーズする。 「…電話、瀬川さんですよね? 遠慮せず出て下さいね」 「…ごめんね。ちょっとだけいい?」 笑顔で促す彼女を後ろにガクッと肩を落としたが、気を取り直してすぐに切り替える。
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