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先輩に罪はないのに。
いい歳した大人が。
どうしてこうも、彼女のことになると自分が自分でいられなくなるんだろう。
「あ、桜井さん媒体部の男に絡まれてる。うわ。距離近いし」
視線は動かさず、黙々食べる。
「今度飯に行こうだって。露骨すぎだろ」
気にはなるが、とにかく見ないことに徹する。
「…お前ってわかりやすいよな」
「……」
「俺も狙っちゃおうかな」
「それはダメです」
あ、と気づいた時は遅い。
先輩はニタニタ笑いながらこちらを見ている。
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