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ガチャリと、寝室のドアが閉まる音が響いた。
白河さんをベッドに運び、出てきた怜斗は憔悴しきっていた。
「…これからどうすんの…?」
二人の空間に入ってはいけないような気がして、玄関先で佇んだまま静かに訊いた。
「…隆二を呼んだ。
まずは葉瑠を診てもらおうと思う」
「…そっか」
室内に鳴り響く雨の音は次第に柔らかくなり、どこかに吸い込まれるように遠ざかっていく。
「なあ、怜斗。
このままでいいはずがないことはお前もわかっているだろ?
落ち着いたら白河さんとちゃんと話せ。
いいか?絶対に二人で納得がいくまで話し合えよ」
そう告げてドアのぶに手をかけると、
「健…!」
背後から呼び止められた。
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