変わらない愛⑥

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「課長がそう言っているところ想像つくよ。 でも今日のオリエン後、一旦会社に持ち帰らないとね」 「営業だけで進めてはいけないってことですよね」 「そう。それから社内で協議をして競合コンペに参加するか決定するんだ。 プレゼンに参加するのは時間と費用が必要だし、営業個人で簡単に判断はできないのがルール。 プレゼンとなると制作部や媒体部も関わってくるしね。 でも持ち帰ったとしても会社はゴーのサイン出すだろうね。 規模が大きいし、もしうちが担当になったら会社の利益もすごいだろうし」 「…瀬川さんは怖くないですか? そんな大きな仕事を任されて…」 怖気づいた小鹿のような瞳。 きっと大手取引をプレッシャーに感じ、今後のことを考えたら不安になったのだろう。 「怖いって聞かれたら怖いかもしれない。 でも、その分やりがいの方が大きいよ。 競争率の高い取引先ほど燃えるしね。 勝ち取った時の喜びは倍増だよ」  「…すごいですね。本当に尊敬します。 私も瀬川さんみたいになれたらいいな…」 「桜井さんは桜井さんらしくしていけばいいと思うな。 俺のやり方はあくまでも参考にしてくれればいいから。 今後もし、仕事のことで躓いた時は遠慮せずに頼ってね。 一人じゃないし、俺もいるから。 何かあったら助けるよ」 「…はい。とても心強いです。 ありがとうございます」 柔らかな微笑み。 顔の強張りがスッと消えたような気がした。 何度見ても、彼女の笑顔は飽きない。 君が笑う瞬間が好きだと、何度もそう自覚してしまうほど。
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