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「びっくり…した…。
参加予定の各社名簿で健くんの名前を見たとき、まさかって思ったけど…」
「どうして…」
既存クライアントなだけあって広告案の依頼を担当し何度か訪問を重ねているが、ここで唯が働いている事実は知らなかった。
「入社してからずっと百貨店の販売部門にいたの。
この秋から企画開発の方に異動になって…」
販売…。
百貨店の美容部員ということはどうりで会わないわけだ。
唯は一瞬顔を伏せ、すぐに微笑みながら顔を上げた。
「久しぶりだね。
…元気だった?」
「…うん。…唯は?」
「私は…何も変わらないよ」
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