変わらない愛⑧

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彼女はあのときの場面を見てしまった…? 「てか、話変わるんだけど、今日の忘年会…って、おい! 健!?」 先輩を置いて後先考えずに飛び出すと、一目散にオフィスに向かった。 「桜井さん!」 数人の社員がきょとんと目を丸くして見ていたけれど、俺の視界には誰一人入ってこなかった。 食い入るように彼女を探したが、見当たらない。 彼女のデスクはきれいに片づけられており、PCのカバーも閉じられていた。 もしかしたら社食にいるのかもしれない。 そこにいてほしいと懇願するような思いで廊下を見据え、社食へ向かおうとしたその時、まるでそれをしても無駄だというような声が背後から届いた。 「桜井ならとっくの前に出掛けましたよ。 今日は会社には戻らないって言ってましたけど…」
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