変わらない愛⑩

24/27
897人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
環奈と結ばれたその一週間後、俺は馴染みのコーヒー店を訪れていた。 ここは怜斗と再会した場所。 そして、白河さんを見送った思い出の場所でもある。 「ごめんな。忙しいのに突然呼び出して」 向かい合わせに座る怜斗が申し訳なさそうに言った。 その隣には怜斗が愛してやまない大切な婚約者――白河さんもいる。 彼女の左手の薬指には大きなダイヤがきらりと輝いている。 「全然。そろそろ怜斗から連絡がくるだろうなって思ってたから」 何年の付き合いだよ、と訴えるように口角を上げると怜斗もつられて綻ぶ。 怜斗はすぐに真剣な表情に切り替えた。 「今日呼び出したのは…健に一番に報告したいことがあったからなんだ」 「うん」 そんな畏まらなくても、怜斗の言いたいことはわかっているけどな。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!