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「寒いね。もう冬だもんね」 目の前のソイツは髪を団子頭にして、メガネをかけている。 それなのに茶髪だし制服のシャツのボタンはひとつだけ空いてるし、何だかアンバランスだ。 先生から早く帰れってまたうるさく言われちゃうよ。と言われれば教室から出ない訳にもいかず、そのまま俺は成り行きでコイツと人気のない廊下を二人きりで歩いている。 「....あのさ、聞きにくいんだけど」 「ねえ。運命って信じる?」 いや、何を言っているんだ。運命だか何だか知らないがその前にお前は一体誰なのだ。現実的な意見を口にしてやろうかと思ったが振り返り俺を見つめるその瞳を見ていると、質問に答えなければいけないような気がした。 「信じない。前世だとか来世だとか、くだらないから」 「キミはいつもそう言うよね」 満足そうに笑うとまた前を向き歩く姿。 いつもって、だからその”いつも”って何なんだよ。 お前は誰なんだよ。
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