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僕だって買いたい。男だって買いたい時がある。
男が男にあげるのはおかしいかな? おかしくないよね。だって好きな人にあげるものなんでしょ?
そうは思っても、なかなか店には入れない。
女の子しかいないんだもん。
どうしようかな、どうしようかな、で時間が過ぎる、日にちも過ぎる。
バレンタインデーまであと二日。
楓は今日もまた新しいお菓子屋さんの前で溜息をついていた。
大和は甘いものはあまり食べない。
だからちょっと大人向けのビターなチョコがいいんだ。
でも、お店に入る勇気は今日もない。
「おや、そこのボク、どうしたンだい?」
突然声をかけられてびっくりして振り向いた楓の前に、和服姿の女性が立っていた。
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