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「いいんじゃないかな。多い方が楽しいですよ。このサークル、人少ないし......」
彰の一歩後ろを歩く柳原 祐香(やなぎはら ゆか)は、黒いポニーテールを揺らしながら、愛美を気遣った。
「んー、祐香ちゃんったら優しいね」
「ちょ、ちょっと愛美さん」
愛美は祐香の後ろに回り込むと、そのまま抱きつき手を前に回した。
大人しい顔付きからは想像できない程大きく膨らんだ祐香の乳房を後ろから鷲掴みする。それを払いのけようと顔を赤らめながら、もじもじと動く祐香に男性陣は思わず視線を奪われる。
「仕方ねえだろ、どうしても付いて行くって聞かなかったんだからさ」
岳は祐香と戯れる愛美を困った顔で見る。
「まあまあ、祐香ちゃんの言う通りで、多い方が楽しいですよ。ところで今日の宿泊先ってどこなんですか?」
悠斗は地図を広げる。
バス停の周りには、一面すすきが生い茂った野原が広がっていた。
この近くに宿泊できる施設がないことだけはすぐにわかる。
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