第1話『ようこそ、自喰村へ』

13/38
前へ
/139ページ
次へ
6人は各々山の風景を写真に収めながら、地図を頼りに道を進んでいく。 一応アスファルトで舗装された道路は幾つか見えるのだが、一台も車は走っていなかった。 山道に疲れ始めたのか、はあはあと息を切らすたびに白い息を宙に飛ばす雪希は、寒さで頬を赤らめながら一生懸命シャッターを切った。 「どう? いい写真撮れた?」 「ほら、これ見て」 悠斗は雪希のカメラに付いているディスプレイを覗き込む。 そこには山から見える村の姿が写っていた。 「ここが俺たちが泊まる村か」 ちょうど山の中腹から見えたその村は、道路も舗装されていない小さな村だった。木造の建物がおよそ20から30程建っているのが見える。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加