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「温かい。ありがとう」
悠斗は寝癖で跳ねた黒い髪を右手で触りながら、恥ずかしそうに答える。
それを見ていた2個上の先輩である武田 岳(たけだ がく)は何か言いたげにニヤリと笑う。
「な、何ですか、岳さん?」
「見ててもどかしいんだよ。早く付き合えっての」
「つ、付き合うって。俺と雪希はただの幼馴染で」
悠斗は生まれた頃から隣の家に住む幼馴染の雪希と同じ大学に通い、そして写真愛好会サークルに所属しているのだ。出生から趣味まで一緒、かつお互い恋人もいないとなれば、周りが囃し立てるのもわけはなかった。
雪希はぽかんと口を開き、悠斗と岳のやり取りを見ていた。
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