7800人が本棚に入れています
本棚に追加
彼の所属する王立アカデミーは、王国の未来を担う若者、エリートを養成するために設立された、最高学府である。
優秀な若者は国の未来、という理念こそ崇高だが、その真相はというと。
即位当時六歳であった現国王が、
『じい、学校ごっこがしたいぞ!』
『我が学長だ!』
『決めたのだ、国中から優れた子供達を集めるように!』
……などと、ひたすら駄々を垂れ流したゆえの産物であった。
だがしかし、適当な理屈で国王が通う学校など設立できる目処は立たず、かといって国王の意向を無視する訳にもゆかず。
当時、摂政宮を務めていた人物が、あーでもないこーでもないとひたすら企画をこねくり回し。
王侯貴族と元老院等々のお叱りを散々に受け、胃に穴を穿ちつつ。
なんとか設立にこぎ着けたとかいう、涙無しには語れない様々な逸話が残されていたりするのだ。
最初のコメントを投稿しよう!