二人のマエストロ

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   アリシアがリネン部屋へシーツを取りに行き、リディアはもぞもぞとベッドから降りてシーツを剥ぎ取り始めた。  ゴロッ。  ダンゴ状になった毛布の中から、ナコルが転がりだしてくる。  どこに行ったのかと思ってたら、お前、リディアの下敷きにされてたのな。 「あら、白猫なんか飼っているのね」 「ええと、その子は迷い猫で…… ハーディスさんが飼い主を捜しているみたいです」 「へぇ、綺麗な子ね。 おいで」 「ニャァ……」  猫の姿は勘弁してくれとばかりに、ナコルが表情で訴えてくるようだ。  が、俺の顔を見て一瞬固まり、ついっと顔を横に向けた。  ……コイツ、俺の正体が解ってるな? きっと笑いを堪えているんだろう。 「リディアさんは、猫はお嫌いですか?」 「とんでもない、大好きよ」  
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