二人のマエストロ

83/83
7794人が本棚に入れています
本棚に追加
/2463ページ
  「正反対の凸凹コンビ、いい関係じゃないかなぁ?」  アリシアが俺の方を向いて、ニヤっと笑っている。  ……少しおしゃべりが過ぎたかな?  そんなこんなで、話題は刻々と変わってゆく--。  頃合いを見て俺達は浴場を後にし、それぞれの部屋へ向かおうとした。  その時。 「マエストロ・リディア!」 「リディアさん!」  宿舎の階段で、俺達3人は数人の女子生徒に囲まれた。  その手には薄っぺらい藁半紙が握られている。 「こんな瓦版が配られてたんですけど…… ほ、本当ですか!?」 「瓦版……? はっ、まさか!?」 「(うわっ、すっかり忘れてた! ていうか瓦版同好会、仕事早すぎだろ!)」  時既に遅し--。  瓦版の見出しには、面白可笑しく脚色された見出しが躍っていた。   『犬猿マエストロ ハーディス&リディア 白昼堂々の熱愛劇!?』 「……悪夢だわ」    俺とリディアはこのネタで、しばらくアカデミーの話題という話題のタネにされてしまったのだった。  とほほ。    - 二人のマエストロ -
/2463ページ

最初のコメントを投稿しよう!