王女と王女と国王と

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  「それにアイツ自身が、俺にアカデミーに残れと命じたからな」 「え? 王様からそう言われたの?」 「智は国の宝ぞ、とかなんとか。 まぁ俺は自分の意志でアカデミーに居るんだが」 「ハーディスくんが、国の宝…… ぷぷっ」 「オマエ、また失礼な事を考えてるだろ」  アリシアは半分笑ったまま、両手をブンブン振って否定する。  全く説得力ないぞ。   「国の宝っていうか、国のガン? 恥部?」 「オマエは!」 「あっ、でも王様とマルグリット様、2人を惚れさせるってのはすごいよね」 「取り繕うところがそこかよっ」 「天性のスケコマシ? 悪い男? 悪い女?」 「もうちょっと、こう、なんだ、マシな言い方はないのかね……」      ううむ、俺の研究にまみれた穏やかな日常が、ここ最近どんどん浸蝕されている。  日常ブチ壊しランキングでいうと、その文句なし堂々一位は、アリシア。  だったのだが、ここに来て国王と王女が上位ランクイン。  恐るべきダークホースである。  俺、なんか悪いことしたかなぁ……。  今年の運勢、再確認してみようかな。    - 王女と王女と国王と -
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