1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
目開けると、そこには生まれたばかりの私がいた。
小さな鼻でぴすぴすと呼吸をし、目は閉じている。
私は瞬時にそれが生まれたばかりの私である事を覚って思わず呟いた。
「ああ、、この子は生まれたくはなかったのになぁ。」
私は物心ついた時から『生きている状態』が苦痛で仕方がなかった。
特に不自由なく育ててくれた事に関してはこの上なく感謝しているが、
命を授けてくれた事に関して感謝した事など一度もない。
私にとっては生まれてこない事に越した事はないのだ。
ああ、やだやだやだ。
面倒なのは嫌なのだ。
やなのだ。
かと言って自殺しない理由も、単に面倒だから。
やなのだよ。
ふと我に返り、私は目の前の生まれたばかりの私を眺める。
小さな鼻をぴすぴすしているコイツは哀れだ。
コイツにこれから先、積み重なるであろう苦痛の年月を思うと、いたたまれなくなってきた。
人生で初めて、ちょっと思い切ってみるか?
面倒なのをクリアしてみるか?
ぴすぴすしてるコイツのためにも。
あ、目を覚ましそう。。。
-----------------------
目を開けると、そこには生まれたばかりの私を殺そうとする私がいた。
最初のコメントを投稿しよう!