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浴室に、お気に入りのボディソープの香りが立つ。
こんな風に夕方にのんびりとお風呂に入れるのも、女子大生の特権と言うやつだ。
でも午前の講義にはちゃんと出たのだから、それなりに忙しい。
「んー……璃子(りこ)。やっぱいつもよりおっぱいデカいよ。もうすぐアレなんじゃん?」
同じ大学に通う晃(コウ)が、私の身体を洗いながらそんな事を言う。
「そう? ……確かにそろそろかも」
ここはコウのアパートで、私はバイトまでの時間潰しに来ているだけ。
「そっか、覚えておこう。はい次は首ね。うーんして」
一緒にお風呂には入っても、別にコウは彼氏なんかじゃない。かと言ってセフレともちょっと違う。
言われた通り『うーん』と顎を上げると、油断していた唇にキスが落ちてきた。
「……なによ。さっき仲よくしたじゃない」
「そうだけどさ……」
コウの手は大きくて、いつも優しい。泡をまとった長い指が鎖骨をなぞって、私のふくらみと戯れ始めた。
「璃子……。月が綺麗ですね……」
月なんか見えるはずのない浴室に、コウの吐息まじりの言葉が漂う。
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