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部屋を片付ける二人の男。
顔にはグルグルとタオルを巻き、ゴーグルをして、周辺の物をゴミとそうでないものとに分けて行く。
「写真は捨てるなよ」
「うっす」
男たちは、手際よく作業を続ける。
「この猫缶、何で開けてあるんですかね?猫なんかいなかったですよね?」
「さあな。昔飼ってたのかもな」
「腹減って食べたのかも知れないっすね、死ぬ前に」
「そうかもな。過酷な仕事でノイローゼだったらしい。一カ月欠勤が続いて、会社からアパートの大家に連絡が入って、開けてみたら…っていうよくあるパターンだ」
「でも、仏さん、笑顔で死んでたんでしょ?」
「ああ、そうらしいな。家族を交通事故で失って、その後は一人で都会暮らし。その挙げ句が過労死だ。何とも哀れなヤツだよ」
「わかった。最期に猫と遊んでたんですよ」
「そうかもな」
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