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アパートに着き、玄関の鍵を回すと、開錠の感触がなく空回りした。
「開けっ放しだったか」
不用心だと怒られればその通りだけど、盗まれるようなものは特にないし、あまり気にすることなくドアを開けた。
「おかえりー」
「あ、すみませんっ!」
慌てて部屋を飛び出した。
部屋を間違えたと思った。
引越したばかりだし、さっきまで妹がいたとは言え、一人暮らしだから声なんか聞こえるはずもない。
玄関を飛び出して、表札の上に書かれた部屋番号を確認する。
「一〇五…間違ってないよな…」
僕はおそるおそる、ドアノブに手をかけて、そっとドアを開けた。
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