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「コージ、コージ。遅刻するよ」
ピタピタと肉球が額を叩く。
「んー、朝か…」
「おはよう、コージ」
僕がおきると、胸の上に乗ったミケコが、にゃあと鳴いた。
「ほら、早く準備しなよ」
「うわっ!」
寝ぼけ気味だった僕は、驚いて完全に目が覚めた。
ミケコが喋った。夢じゃなかった。
昨晩と同じく、ミケコがビクッと驚いた。
「もう、驚かせないでってば」
「あ、ごめん」
「ま、いいけど。もうあんまり時間ないよ」
「やばっ」
「仕方ないなぁ。ほら、着替えは用意しておいたから」
僕は、急いで着替えた。
窓の外はすっかりと明るくなっている。
急がないと間に合わない。
僕は慌てて荷物を纏めて玄関を出た。
ドアを閉める前に、振り返ると、そこにチョンと座ったミケコと目があった。
「ミケコ、来てくれてありがとう」
僕が笑うと、ミケコはにゃあと鳴いた。
僕は眩しい光の中を走った。
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