0002 山梨 ナナ

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ほっぺたにイナズマのタトゥーをしている女の子。 タトゥーじゃなくてシールかしら……。話し方が変。中国人かな? 「ナナさんを保護しまシタ」 「え、保護? 誰ですか? 何であたしの名前を知っているの?」 「ワタシの名前は“エイリやん”デス。お爺様の言いつけで来まシタ」 エイリアン? エイリヤン? 宇宙人? 何それ。バカにされてんのかしら。 ジジイの差し金か。ってことは、探偵? あたし家出してまだ初日なんですけど。 スマホのGPSも切ってるし、今日家に帰れば家出にならないし、何で家出と分かったのか不思議。 「ジジイに言っといて! あたしは家出したの! 富豪の家に頼らず自立して、自分の力で小説家になるのよ!」 「家出の確率がGPSを切った時50%、その後の行動により、現在99%となりマス。安全確保の為、カクテル技術を植え付けマス」 「は? つーかあんた誰? 身分を明かしなさいよー!」 「エイリやんデス。“エイリ”が片仮名で、“やん”が平仮名の愛称で呼ばれたいデス」 「エイリやん……さん? 何者?」 「エイリに “さん”よりも、馴れ馴れしく“やん”と付けて下サイ。あつかましい人、図々しい人、ワタシは好きデス」 この子は頭がおかしいのかな? やたらとエイリやんっていう呼び名に執着している。 ジジイの手下? 「あんた、ジジイの差し金?」 「地球は良いデス。あなたも良いデス。ワタシはお爺様の部下デス。好きな言葉はツンデレ」 「ツンデレって古っ……。Mの香りがする子ね~。あたしは今日、家出したの! だから家には帰らないわ!」 「ではナナさん、ワタシをお供に従えて下サイ。私は保険デス」 「保険? 意味わかんない。どんな保険?」 「あなたが死なない為の保険デス。あなたは気性が激しいノデ、お爺様はかねてから家出することをお見通しでシタ。現に家出しまシタ」 そんなぁ……家出する自由すらないの?……ボディガードか。 「でもあんた女の子でしょ? 暴漢に襲われたとき勝てんの?」 エイリやんは、地面に落ちている小石を1つ拾い上げた。 「フン!」 ガギッ! す、凄い、手で石が粉々に砕けた! 人間業じゃないわ。 何この子、ほんとに宇宙人?
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