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ワタシが生まれたと感じたのは『境』デス。
境界線を越えた時。
この地球で、自我を得まシタ。
古い記憶は計算ばかりしていまシタ。
ワタシの核からの距離、物質が引き合う質量同士の引力。
初歩の数学でも度々たどり着く『無限』
終わりの無い円周率を天文学的な桁まで計算し、世界中の情報をやはり途方もないぐらいに吸収しまシタ。
ワタシはある時、簡単なようで深い疑問に衝突したのデス。
人はなぜ生きるのか。
宇宙誕生の前、『10のマイナス36乗』秒後にビッグバンが始まったとされるインフレーション理論。
原始の地球で、自然の化学合成により生まれた最初の生命。
細胞分裂すらできない最初の一歩。
そんな一歩が地球上で同時かつ無数に挑戦されまシタ。
38億年前（±3億年）真正細菌の出現。
細胞1つの生命から、一方、人1人の腸内細菌などを含む100兆個の細胞をもつ人類マデ。
考える脳すら無い生物が、火山活動で熱水の吹き出す高温の深海で誕生したとされる説。
赤道を含む地球全てが全球凍結する経験を幾度も乗り越え、巨大隕石の衝突すら切り抜けた生命の連鎖。
意思持たぬ生物から『生きる』と自覚する人間まで、全生物の目的はただ一つ。
子孫繁栄。
奇跡が奇跡を生んだ生命誕生。
こんな話がありマス。
生命の誕生を、置き時計を作製する完成までの状況に例えマス。
アミノ酸や金属など、『時計（生命）に必要な部品を全て1つの箱』に入れる。
その箱を『一振りで時計（生命）が完成』。
最初の生命誕生とは、それくらいの確率。奇跡デス。
一方、生きることを途中で諦める人が居ます。
日本人の自殺者は年間約30000人。
無一文になっても生きられる、日本国憲法第25条 3章、生存権。
世界を見渡すと、『生きたくても生きられない』飢餓人口は7億9千5百万人。
世界人口の9人に1人が飢えてマス。
文明が発達した現在。
その恵まれた時代に生まれ、更に恵まれた国の日本人。
ワタシが人間だったら、人生を謳歌（おうか）しマス。
この世に生まれた奇跡。
何が何でも。絶対に。
命を繋ぐこと叶わぬロボット。
そう、このワタシは。
人間になりたい夢を持つ。
メカなのデス。
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